「どんなときも、家族が集える明るいリビングを」
江越さんご一家が愛媛県西条市に新居を構えたのは、2018年7月。夫の勝一朗さんが27歳、妻の美咲さんが25歳という若さでの大きな決断でした。
勝一朗さん「結婚してから3年ほど賃貸住宅に住んでいたのですが、一人目の子どもが産まれたのを機に、新居を建てることを意識し始めました。30歳までには建てたいね、なんて夫婦で目標を立てていたものの、実際にハウスメーカーを巡り始めると、どんどん現実感が湧いてきて。次第に“自分の家を持つんだ”という覚悟が固まっていったんです」
善は急げ。さっそくいくつかの住宅メーカーをまわる中で、間取りについてはイメージが固まっていったものの、予算やデザイン面で決定に至らず……。そんな時、勝一朗さんのお母様の紹介で川下建設の施工物件を見学したところ、夢の持ち家が一気に現実味を帯びてきました。
美咲さん「まず一目で気に入ったのが外観です。左官塗りの外壁や木材を使用したアクセントなど、“和モダン”のテイストが見事に再現されていて、まさに自分の理想とする家だと感じましたね」
その後の打ち合わせで、限られた予算内で自分たちのやりたいことを最大限に叶えてくれようとする担当者の心意気に胸を打たれたそうです。川下建設に未来を委ねる決断をしました。
広くて明るいリビングで一家団らん
ご夫妻にとって、新居の間取りでどうしても譲れない点がいくつかありました。なかでも奥様がこだわったのは、リビングダイニングの明るさと独立型のキッチンパントリーです。
美咲さん「広くて明るいリビングをつくりたいという思いが一番にありました。そこでまず南側に大きな窓をもってきて、日中はずっと自然光の明るさで過ごせるようにしました。リビングとダイニングの間に壁や棚などの仕切りをなくしたのは、家族が集まる場所だから。隔てるもののない開放的な空間をつくりたかったんです」
お子様は現在、1歳と2歳。キッチンで料理をしながらリビングで過ごす子どもたちの姿が見えるのは、キッチンで過ごす時間の長い主婦にとって大切なポイントです。そしてもう一つのこだわりが、このキッチンパントリーでした。
美咲さん「賃貸住宅に住んでいた頃は、キッチンに収まらない食材を戸棚に収納していました。食材をどこにしまったかわからなくなったり、高いところや奥にあるものを取り出すのに苦労したり、結構不便で……。そこで今回、キッチンのすぐ横にウォークインタイプの独立型パントリーをつくってもらったんです。食材探しがとてもスムーズになりましたし、空いた空間にダストボックスを置くこともできるので、キッチンまわりがすごくすっきり見えるようになりました」
一方、勝一朗さんのこだわり空間は畳スペースでした。リビングの中央を一段高くしてつくった3畳の和室は、大人がくつろげる場所であると同時に、子どもたちのお気に入りの遊び場。キッチンやリビングから目が届きやすく、大人が別の用事をしていても安心して遊ばせられるので、重宝しているようです。
勝一朗さん「やっぱり生活の中に畳があるとなんとなく癒されますし、ちょっと横になりたい時にすぐ寝そべられるのがいいですね。一段高くなっているので、自然と腰掛けることもあります」
美咲さん「子どもたちもとても気に入っています。おもちゃを片付けられるように大きめの収納にしたのに、いつの間にか吊り戸棚の下の空間が子どもたちの秘密基地になってしまって……(笑)。微笑ましいなと思いながら、キッチンから毎日眺めています」
居住空間以外のスペースを有効に活用
アウトドア派の勝一朗さんの趣味はフィッシング。玄関横から駐車スペースへ抜けられる位置にある広々とした土間収納に、釣り竿や長靴などさまざまなアイテムを収納しています。
勝一朗さん「釣り道具や工具、屋外で使う椅子など、汚れたままの道具を収納できるスペースがずっとほしかったんです。今回、勝手口に続く形でかなり大きな土間収納をつくることができたので、思う存分アウトドアグッズを置けるようになりました。特に気に入っているのが壁紙です。一見コンクリートの打ちっ放しに見えるんですが、実は壁紙の模様になっているという、ね(笑)」
もう一つある勝手口は、ウォークインクローゼットにつながっています。この動線が家事の負担を大幅に下げてくれました。
美咲さん「外に干した洗濯物を取り込んで、勝手口からウォークインクローゼットへ直行できるので、大量の洗濯物を持って家の中を移動する必要がありません。ちょっと便利な動線があるだけで、家事がずいぶん楽になりましたね」
職人の技を凝らしたこだわりの造作
内装面でのこだわりも、随所に散りばめられています。特に目を引くのが、玄関の框(かまち)部分のアール型のデザイン。職人の技を最大限に駆使し、川下建設が実現させた渾身の造作です。
美咲さん「もともと、内装のどこかに曲線を使ったデザインを取り入れたいという気持ちがあったんです。担当者と相談を重ねた結果、玄関の框に取り入れてみては?という提案をいただきました。すごくおしゃれに仕上がったし土間も広く使えるし、デザイン面だけではなく機能的にも良くなりましたね。子どもと一緒に出かける時にも、玄関でゆったり準備ができます。框を普通より少し高くつくってもらったので、座って靴を履いたり履かせたりするのも楽なんですよ」
そしてもう一カ所、デザインにこだわったのが洗面台です。一般的に風呂場の脱衣所に設置しますが、生活動線を考えた結果、独立した場所に落ち着きました。
勝一朗さん「細かいことですが、家族が入浴していても洗面台を自由に使えるのはやっぱり便利ですね。実はシンクにもこだわりがあって、医療用でも使われている大きめのものを選びました」
美咲さん「洗面台のスペースは、私が中心になってデザインしました。インスタグラムを参考にして、タイルと木材を組み合わせたオリジナルのデザインをつくってもらったんです。毎日何度も目にするので、その都度ご機嫌になっちゃいますね」
プライベートなスペースを2階に集約
2階には、勝一朗さんの書斎と子ども部屋をつくりました。消防士というハードな仕事をこなす勝一朗さんにとって、リラックスタイムは欠かせません。家を建てると決めた時から、自分専用の部屋をつくりたいと考えていました。
勝一朗さん「今はまだ子どもが小さいので、なかなか一人きりになって休める時間がありません。ただ、もう少し子どもが大きくなったら、書斎で漫画を読んだりゲームをしたり、自分の時間を楽しめたらいいな、と。今から楽しみにしています」
これからさらに家族が増えることを見越して、子ども部屋は3スペース確保しました。それぞれに大きなクローゼットを設置し、成長とともに衣類や荷物が増えてもしっかり収納できるよう考えられています。ただ美咲さんは、ちょっぴり複雑な思いも……。
美咲さん「子どもが大きくなった時、あんまり部屋にこもりきりになってしまうのも寂しいななんて、今から心配しています(笑)。もちろん一人の空間は大事ですが、家族団らんの時間はみんな一緒にリビングで過ごしたいですね」
家族の成長とともに、家も形を変えていく
家を建てるのは、人生に一度あるかないかの一大イベントです。実際にそれを体験されたお二人に、今の思いと未来への展望を伺いました。
勝一朗さん「打ち合わせには、何度も何度も足を運びました。楽しいことも多かった一方、大変だと感じることもありました。それでも実際に家が完成すると、自分たちで一所懸命に考えたことが、本当に細かい部分まで実現されている。そのことに感動しました。特に、私が最初にいいと感じた和モダンの外観は、心から満足しています」
美咲さん「川下建設さんにお願いして良かったのは、家を建てながら細かいことを決められたところですね。図面だけではなかなか見えてこない部分を、現場で棟梁と相談しながらつくり上げられましたから。最終的にとても満足のいく家が完成して、本当に良かったです」
最後に、「将来はウッドデッキをつくって、子どもや友人たちと賑やかな時間を過ごしてみたい」と夢を語られたご夫妻。家族の成長フェーズに合わせて、家もまたアップデートしていくもの。川下建設が手掛けた家は、これからも地元で暮らすみなさまの未来に寄り添っていきます。
取材・執筆:波多野友子
撮影:大野和香奈
企画・編集:有限会社ノオト